ミットに恋してる。シリーズ(ジュンケイ JG-2011H)

年の瀬にちょっとした臨時収入があった。  


キタサンブラック?今流行りのオルタナティブコイン?

まぁ、その辺りは想像にお任せするが、瓢箪に駒ともいうべき思わぬところからの 臨時収入であった。  

 

そこで思い出したのは「金は天下の回りもの。」という金言。
金の言葉と書いて金言だ。

 

よし、ここは貯金などせずに使ってやろう。


「そんなことをしているからお金が貯まらないのだ。」などと後悔してはいけない。

回すんだから。回るんだから。  

 

とは言え、裏打ちする事実も含蓄も何もなく、
スレッ枯らしの自己暗示を強くかけただけの私は、年明けの4日、新春セールが行われている都内の某ベースボールショップに向かった。

 

  「なぜ、ベースボールショップ?」  

 

何を隠そう、私はキャッチボールや壁当てが大好きなのだ。 とは言っても、野球部出身とか、現在でも草野球をやっています、とかそんな類ではない。

ルールもよく分からない。下手をすればヒットを打って3塁に走りかねない。

バスターとか、フィルダースチョイスなんて言われても何のことやら。  

 

 

年甲斐もなく、ただ単に、野球文化が大好きなのだ。

特にアメリカのベースボールパーク文化はたまらない。(この話はいつかまた改めて)

 

その一環で、グラブやミットも愛してやまない。(バットに興味はないよ)

新品時には干しイカを束ねたかのごとく、固くてコチコチのそれらを、時と手間をかけ

自分の手にアジャストさせていく快感はなかなか他では味わえない。  

 

毎晩、何気なくテレビを見ながら寝る前のクールダウンをしつつ グラブやミットを手にはめ、

ひたすらボールやグラブハンマーを叩きつける。

 

時には己の拳をブチ込んで、自分好みの型に仕上げていく。  

 

ムチだけではなく、飴も。

月に何度かは薄く保革オイルを塗り込み、磨き上げる 。

 

オイルが浸透し、モチモチかつ、ツヤツヤの肌となった

グラブを恍惚の表情で優しく愛でる。

そんな柔肌を俺に魅せてどうするんだい?

 

文章に起こして今思ったのは、これは一種のストレス解消なのだろう。

 

 

新春にふさわしく、新しいグラブを買おう。よし、ここはキャッチャーミットだ。

黒くて、硬くて、カチコチのアレを買うのだ。  

 

20%引きの新春セールが行われている店内は激しく混んでいた。

お年玉がわりに新しいグラブを息子に買い与えてやろうというところなのだろう、

親子連れでごった返していた。  

 

マスクをして薄汚い格好をしたいかにも怪しい中年男は、キャッチャーミットコーナーを目指して進んでいった。

 

辿り着いたコーナーには、数多くのミットが鎮座し、百花繚乱の様相。

ZETT、ハタケヤマ、ミズノ、ジームス。うん、よく聞く名前だ。

 

私は気になるものから、順に手にはめて、矯めつ眇めつを繰り返した。

そんな中、ふと気になるミットが。

 

「ジュンケイか。。」思わず呟いた。  

 

野球好きなら皆知っている有名野球ユーチューバー、クーニンさん。

彼の動画を時々、視聴していることもあって、ジュンケイの名前だけは知っていた。

www.youtube.com

 

そして、その中でも、特に下記の動画に興味を惹かれていた。

www.youtube.com

 

数多くのグラブをハメてきたであろう、あのクーニンさんが ジュンケイのグラブをべた褒めしている。  

 

ふうむ。。。どれどれ。

グラブではなく、キャッチャーミットではあるが、 埃除けのビニールを外して触ってみた。

 

 

  「!」  

何という、革の質感だろう!

 

しっとり感、もち肌感もあるが、軽さ感もあって、その上、耐久性まで感じる。。

これはすごい。

 

高級感と質実剛健さが同居していると言えばいいのだろうか、なかなか、言い表すのに的確な言葉がない。  

 

ミズノプロの重厚感や、アトムズ ジュテルレザーのしっかり感、 ウィルソン プロストックステアレザーの繊細感、スラッガーの素上げ革の素朴感。。

私も今まで数多くのグラブを試してきたが、そのどれらとも違う。

 

 

私は、手に取ったミットを、人差し指の腹で優しく愛撫した。

もう、これは俺のものだ。

オレンジ色っぽい「キャロット」という色で、自分が欲しかった黒色のミットではないが、

この場に及んではそんなことはもうどうでも良い。  

 

他人にこのミットが購入されてしまわないか、それだけが心配だ。  

辺りを見渡し、誰もこのミットをナンパしようとしていないことを確認すると

ようやく私は一息をつき、冷静になって捕球面を覗き込んだ。  

 

 

 

恥ずかしがらずに、こっちも見せてごらん。ほら、、こんなに。。  

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「浮いている!!!」

 

 

私は狂喜乱舞した。

 

 

「お前はバカか!」と皆さんは思われるかもしれない。  

 

グラブ、ミットの捕球面に現れる『浮き』というものは、それこそゴキ◯リのように 忌み嫌われるものであり、

野球関係者は老いも若きも、アマもプロも皆 購入時~慣らし時~使用時と、

常に『浮き』が生じないように気をつけるものだ。  

 

それでも、『浮き」が生じてしまうようなことがあれば、

「慣らし方がダメ。」とか

「設計が悪い。」とか

「使い手がバカで下手くそだから、浮く。」とか 、

思いつく限り、ありとあらゆる唾棄の言葉を並べる。  

 

 

ノンノン!!!

 

私は言いたい。「設計の事をよく考えろ。」と。  

下に一枚の推察画像を載せる。

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革は伸びるものだ。

捕球面だけでなく、グリスによって接着されている平裏も同時に伸びるであろうが

伸び率で言えば、平裏革より直接、ボールが当たる捕球面の方が大きいことに間違いはない。

 

伸びしてしまった革をどこで吸収するか。

 

吸収などできぬ。

それこそ、太っていた人が急に痩せると皮膚がダブつくのと一緒だ。

つまり、あらかじめ伸びることを念頭に入れて設計しておくしかないと思うのだ。

 

だから、私は「新品時には、捕球面革は突っ張っているべきだし、 ところどころ、ダブつきではない『浮き』があっても良し。」と考えていた。  

 

 

それを見事に体現化しているミット。

 

私は出会った、運命の女、否、ミットに。

すぐさま、神父さん、否、店員に声をかけ、

誓いの場、否、レジに向かった。  

 

 

そして今、手をあげている、ミットに。

 

 

年末特番で某不倫タレントがタイキックを打ち込まれたとかで問題になっている。

酷いなぁ。  

いくらお笑い番組とは言えど、 いくら不倫をしたタレントだろうと、

私刑のごとき暴力を振るっちゃダメだ。  

 

そんなことをしている暇があれば、ミットを殴れ。  

 

 

私の予想通り、捕球面はいい感じにこなれてきた。

もうしばらくすると、突っ張り浮きも消えることだろう。

 

そして、今日も私は叩き続ける。意味もなく。  

 

 

www.youtube.com

「グリス本来の役割は革の接着にあらず!」

この言葉の裏に「設計」という意味が隠れていると私は思う。  

設計さえ良ければ、接着なんてしなくて良いんだよ。    

 

野球に励まれる諸氏においては、ぜひ、店頭で「ツッパリ」グラブを 探してほしいと思う今日この頃です。      

 

あ、このJG-01は素晴らしいの一言。

 

長らくラナパーを愛用してきたのだが、そのラナパーに足らぬ浸透性が抜群。

 

私はラナパー:JG-01=7:3の比率で混合し、

グラブやミットもそうなのだが、それ以外の革製品(財布、革靴、革ジャン)にも使っています。

 

この混合比率に関しては、また今度。